カーボンロッドアンテナはマルチバンド対応で、使い勝手がいい
カーボンロッドアンテナを試しています。
EFHWアンテナ用に製作した1:49のUNUNを使って試してみましたが、
マッチング及び飛びに関していまいちでした。
1:9のUNUNが良いと聞いたので、入手して試してみました。

結果、3.5-28MHzまでマッチングが取れました。
7-14MHzは実際に運用し、日本国内からは599FBのレポートも複数ありました。
また、アメリカからもコールされ、結構実用になるのではないかという感触です。
垂直系では出ることのできなかった周波数も使えるようになり、今後の移動運用がとても楽しみになりました。
目次
移動運用でアンテナを調整
アンテナの調整のため、比較的近いPOTA JP-1922愛知県森林公園の駐車場でテストしました。
この日は空いていて、快適に作業ができました。
アンテナの構成
カーボンロッドアンテナの使い勝手と性能を調べるのが今回の目的なので、暫定の配線です。
カーボンロッドの持ち手より上の部分にアルミフォイルを巻き、金属製クリップでケーブルと接続して
1:9UNUNにつないでいます。
(カーボンロッドアンテナ、1:9UNUNの機種は、最後に記載)
適当な長さの同軸がなかったので、マグネット基台で中継しつつ、
マグネット基台部分でMAT50を使ってグランドを確保しています。


この配線周りは、もう少し整理してきれいにする必要がありますね。
SWR
SWRが下がるといいなあ!と期待しながら、SWRが下がる点を確認します。
測定装置は、Nano VNAです。
本体だけでもOKですが、パソコンで測定すると見やすいので、NanoVNA Serverというソフトを使っています。
移動で使えるオートアンテナチューナーを持っていないので、
CAT-300を使い、手動で同調点を探しました。
かなりシビアで、少しつまみを動かすと大きく動き、最初は同調点を探すのに苦労しましたが、
3.5~28MHzの各バンドで良好にSWRが下がる点を見つけることができました。
バンドチェンジにはNanoVNAが必要ですが、一度同調点を見つけるとツマミの位置が大体わかっているので、
比較的楽に同調できます。
残念ながら、50MHz帯は同調点を見つけることができませんでした。再チャレンジします。
7MHz
SWRが1.3程度まで下がります。1.5以下が100Hzほどあるので、十分でしょう。

10MHz
かなりCAT-300の調整がシビアでしたが、SWR1.2程度まで下がります。幅も十分あります。

14MHz
SWRは1.1以下に下がり、とてもいい感じです。

18MHz
今までEFHWアンテナ以外では出られなかった周波数帯です。SWRが1.1以下にしっかり下がります。
このバンドで出るのが楽しみになりました。

21MHz
SWR1近くに広い範囲で張り付きました。

24MHz
ほぼSWR1.0まで下がります。ここもあまり出ていないので、これからが楽しみです。

28MHz
SWR1.1で十分ですね。

3.5MHz
かなりシビアにチューナーで調整が必要ですが、とりあえず1.4程度まで下がりました。
使えるかもしれません。今まで移動では出られなかったので、特に楽しみです。

電波の飛び具合
SWRは良好な結果が得られたので、次は気になる電波の飛び具合です。
他のアンテナと比べればよいのですが、時間の関係から、普通にCQ POTAを出して交信しました。
各局からもらえるレポートや、Reverse Beacon Networkのレポートを参考にしてみます。
交信
まずは7MHzで、POTA公園に移動している局をコールしてみました。
もらったレポートは、519が2局、599が2局です。
あまり良くないですね。
まあとにかく気を取り直して、11時過ぎからCQを出してみました。
時々、559や529などのレポートもありましたが、1エリアを中心に2,3,4,7エリアの40局と交信できました。
RBNによると7エリアには30dB以上で届いていたので、全然ダメではないと思いますが、
1エリアには7dBなど一桁だったので、コンディションなのかアンテナの実力なのか、
呼ばれ方もいまいち、微妙な感じです。
もう一度気を取り直して、10MHzにQSYして、CQ POTAを出してみました。
7MHzと違ってこのバンドでは、いい感じで声をかけてもらえ、0から9エリアまで、73局と交信できました。
アメリカの局からも声がかかり、539のレポートをもらいました。これはうれしかったですね。
時々599FBのレポートもあり、RBNでは30dB以上もあったので、そこそこ飛んでいるようです。
10MHzでの達成感を感じながら、14MHzにQSYしました。
ここでは交信数は10局と少なかったですが、
北米西海岸、ハワイ、フィジー、中国のRBNから7~9dBのレポートがあり、まあ良しとしましょう。

まとめ
カーボンロッドアンテナを使ってみて、気づいた点は次の通りです。
- 7mほどあるがとても軽く、細くて目立たないので、公園の駐車場でも安心して設置できる
- 垂直系なので、1台分の駐車スペースがあれば運用できる
- チューナーの調整だけで3.5~28MHzまで出られる(多分)
- 受信はいつも使っているモービルホイップよりも良い
- それなりに飛んでいるようだ
カーボンロッドアンテナは、移動運用のメインアンテナにできるのではないかと感じています。
移動運用で積極的に使って、引き続き検証してみようと思います。
(参考)使用した機材
カーボンロッド
フレンド局によると、このカーボンロッドは、カーボンの編み方が密で、アンテナに適しているそうです。
価格も安く、気軽にテストできるのがいいですね。
赤色もありますが、絶縁されているようなので、黒色がお勧めです。
JINKING 渓流竿 ロッド 釣り竿 カーボンロッド 仕舞寸法72cm
1:9 UNUN
これもフレンド局から教わりましたが、カーボンロッドアンテナには、1:9のUNUNが適しているようです。
自分で作ればよかったのですが、安かったので、ダメ元で購入してみました。
小型で100Wまで使えるとのこと。移動運用の50Wで今のところ支障なく使えています。
買って正解でした。
CAT-300
本当はオートアンテナチューナーがいいと思いますが、移動用にはまだ持っていないので、CAT-300を使っています。
チューニングできる範囲が広く、SWR計、パワー計、アンテナ切り替え機としても使えるので、
便利ですが、すこし大きいですね。
小型のオートアンテナチューナーを、そのうち買おうと思っていますが、
結構気に入っているので、少し先になるかもしれません。
DE JS2AZO
HPE CU AGN SN.
GL 73 & 88.
