愛知県森林公園移動で、EFHWアンテナの調整
愛知県森林公園で、EFHWアンテナのテストを目的に移動運用してきました。
それなりに満足できる運用結果を得ましたが、アンテナの調整は課題満載でした。

目次
移動運用に適しているEFHWアンテナに取り組む
愛知県POTACW愛好会のメンバーは、よくEFHWアンテナを使って運用されています。
20m長のワイヤーを張るので場所を選ぶ必要がありますが、
・7,14,21,28MHzで、アース無し、チューナーなしで同調して使用可能
・小型軽量
・すべて自作可能
という優れた点があり、皆さんすごく研究されて、実際の移動運用に使っておられるので、
私もEFHWアンテナの恩恵を受けるべく、トライすることにしました。
ターゲットは、場所に余裕があるときの、より強力なアンテナとして。
また、やってみたい徒歩移動のアンテナの候補として、十分価値があります。
今まで市販のHFV5やモービルホイップしか使っていなかったので
前からあこがれていた自作アンテナの世界に踏み出したいという、思いもあります。
まずは、購入した部品を使いながらの、挑戦です。
UNUNを入手
ネットでもEFHWアンテナの制作事例が多く紹介されています。
愛知県POTACW愛好会の皆さんは技術力が高くて、トロイダルコアに線をまくところから追及されていますが、
残念ながら私は全く経験がないので、
UNUN(アンバランスーアンバランス)はアマゾンで購入して、それにケーブルをつないでまずはどうなるか、
やってみることにしました。

発注後、中国から発送され、10日ほどかかってUNUNが到着。
3000円ちょっとで、とりあえずテストできるようになりました。
移動運用先は近場でアンテナを展開しやすい、愛知県森林公園。
ここの駐車場の端っこだと、迷惑をかけずに実験可能です。
まずは、とにかくやってみる
ほとんど経験もノウハウがないので、とにかくやってみて、何が起こっているかを調べてみることにしました。
測定器は、nanoVNA+nanoVNA Server。パソコンで画面キャプチャ―して、後で考えられるようにはしておきます。
準備と前提
20mより少し短いワイヤーをUNUNにつけて、4mのポールで持ち上げ、ワイヤーを駐車場傍の樹に結び付けてテスト準備完了。
ここまでは比較的簡単です。
アース有り無し、チューナー有り無し、各周波数帯での調整など、いろいろやってみました。
結果的にはアンテナチューナーを駆使して、各バンドのSWRが下がり、
各局と交信できたのでうまく調整できたように見えましたが、
実際はアンテナチューナーが合わせているだけで、電波が効率よく飛んでいないと判断しています。
また、本来のEFHWアンテナは、アンテナチューナーなし、アースなしで広い帯域でSWRが実用範囲に収まるのが特徴。
ぜんぜんその域には達していない状況です。まあ、初なので当たり前ですね。
まだまだ試行錯誤が必要ですが、一番調子よかったパターンについて、以下に記録しておきたいと思います。
アースあり、アンテナチューナーなし、ワイヤー長19.8mのSWR
アース無しよりアース有の方が、SWRは全般的に下がるので、アースありを基本として試しました。
7MHz、15MHz、17.5MHz、21MHz、24MHz、27MHz、29MHzあたりで谷があり、
使えそうな雰囲気がありますが、メインで使いたい7MHzをはじめとしてSWRの値は
全般的に2以上となっていて高めです。

これを下げるのはどうすればよいのか?
正直、よくわかりません笑
おそらく、他の記事を見る限り、トロイダルコアの線の巻き方などあるようですが、
移動地ではどうしようもないので、
この日は魔法の箱と呼ばれるアンテナチューナーをフル活用することに即決しました。
あくまで、EFHWは、アンテナチューナーやアース無しで、
HF全体にわたって良好なSWRが得られるのが特徴ですが
早速この特徴を放棄したことになりますね。
まあ、原因と対策の検討は後日に譲るとして、
現実的なアンテナチューナーを活用すればどうなるか、試してみました。
アンテナチューナーを活用した各周波数帯の状況
できれば移動運用中はアンテナをセットしたら、バンドの変更にはあまり手間をかけたくないものです。
7,14,21,28MHzはそのまま使えるのが売りのEFHWアンテナですが、
可能なら7MHzに続いてよく出る10MHzもそのまま出られれば、ベストです。
また、モービルホイップをもっていないので運用したことのない18、24MHzにも出られれば、もっといいなあ。
そのような、安易な考えもあり、全バンドでトライしてみました。
アンテナチューナーはCometのCAT-300です。
ただ、チューナーで強引にSWRを落としているので、効率よく電波が出ているのかは、
疑問だと現時点では考えています。その前提でのテストです。
どうやって調べればよいか、よくわからないのですが、
モービルホイップやVDP(HFV5)と比較するなど、今後考えて実践したいと思います。
7MHz
いい感じで、SWRを落とし込めます。
これだと、POTA移動運用でCWとFT8両方十分運用可能です。
CQ POTAを短時間出しましたが、22分で26局と交信できました。
最低限は飛んでいるようです。
ただ、調子よく運用している間に、何の影響かわかりませんが、アンテナチューナーによる同調がずれて
SWRが上がってきてしまいました。要注意です。
CQ出してランの最中は調整が難しいので、回避方法もしくは再同調の方法検討が課題となります。

調整がシビアなので、やはりもとのSWRをしっかり下げるようにする必要がありそうですね。
10MHzでCQ。46局と交信
SWRグラフのスクリーンショットを忘れましたが、10MHzは、アンテナチューナーを次の設定にすることで、
SWRが1近くになりました。BANDを7MHzにするのがポイントのようです。

この周波数でもCQ POTAを出してみて、46局からコールいただきましたが、
ランニング中にチューニングがずれる現象が発生。
10MHzの場合は比較的調整しやすく、CQを出しながら、X TUNEの調整で、
SWRのずれを元に戻すことができました。
ロシアからもコールされたので、それなりに飛んではいるようです。
しかし、安定性に欠けるのは、CQを出すうえで、とても大きな課題です。
(QRXを打って、調整の時間をとる必要がありますね)
14MHzでは、1局だけだが北海道と交信成立
調整がけっこう難しいのですが、調整できれば、問題なし。CQを出している北海道羅臼町の局をコールして、交信成立です。
14MHzは1局との交信だけなので何とも言えませんが、ここもとりあえず電波が飛んでいることは確認できました。

18MHzは飛んだ形跡なし
基本的には、EFHWでこの周波数は出せませんが、アンテナチューナーのすごさで、この設定で同調できました。
nanoVNAの画像は、コピー忘れです。
CQをだしてみましたが、応答なし。
Reverse Beacon Networkでも記録はなかったので、電波がちゃんと出ていたかは疑問です。

21MHzは、ハワイと中国には飛んでいた
21MHzは、アンテナチューナー、アースなしでSWRが下がるはず、下がってほしいなあ、です。
現状ではアンテナチューナーなしでは次の状態でした。割とSWR落ちていますが、ちょっと厳しいですね。

アンテナチューナーなしだと厳しいですが、使うと、次のようにSWRが下がりました。
これなら運用可能です。
POTAサイトにスポットしてCQを10分ほど出してみましたが、応答はありませんでした。
Reverse Beacon Networkには、中国、ハワイから上がっていたので、最低限飛んではいるようです。

24MHzは、RBNによるとオーストラリア、中国までは飛んだ
この日はバンド内、バリバリ音がしますが、今までほとんど出たことのないバンドなので、
出られるとうれしく、ワクワクしながら測定してみました。

チューナーを使用すると、こんな感じです。

アンテナチューナーの力を借りると、かなりSWRが下がりますので、CQを出してみました。
応答がなかったので、どれだけ電波が飛んでいるのかわかりませんが、
中国、オーストラリアのRBNでは受信されていたようです。
これからに期待です。
28MHz
この周波数も、ほとんど出たことがない周波数です。
EFHWで気軽に出られると、移動運用の幅も広がり、うれしいですね。

チューナーで調整すると次のようになって、SWR的には何とかなります。
CQを出しましたが応答なし。RBNも応答なしでした。
電波は飛んでないのかも、という感じです。

考察
まずは、アンテナチューナーなしでSWRがしっかり下がるようにする必要がありそうです。
7,14,21,28MHzがしっかり下がったら、加えて10MHzをワイヤーの分割などで工夫するのが、基本のようです。
とりあえずやってみて現状が分かったので、
早速愛知県POTA CW愛好会メンバーからアドバイスいただいた
抵抗を疑似不可としてつないでUNUNの特性を測定するなどして、
改良していきたいと思います。
交信
テストしながらなので、CQ局を呼んで電波が出ているかを確認し、
ある程度確信が持てた後でのCQ POTAとなりました。
それでも想像以上に多い、85交信でき、とてもうれしかったですね!
コールいただいた各局、どうもありがとうございました。
移動データ
・日時:2024年4月19日 09時00分~16時45分
・移動地:愛知県森林公園 PK20-167 / POTA JP-1922
・所在地:愛知県尾張旭市 JCC 2029
・運用モード:CW
・設備:FT-891M EFHW 19.8mL 3mH 50W
DE JS2AZO
HPE CU AGN SN.
GL 73 & 88.