【ツール】だいぶ楽になりました。ハムログの記録からQSLカード発行までを効率化
開局8年のアパマンハムが、いろいろな制約の中で、大好きなアマチュア無線を楽しむ工夫を紹介しています。
今回は、試行錯誤しているQSLカード発行方法です。
移動運用でCQを出すと、たくさんの方から声をかけていただけるのが醍醐味です。
いつもワクワクしながらCQを出しています。
月に2回ほど休日に移動運用をしており、1回の移動で、多い時は150局ほどと交信できています。
感謝感謝です。そして交信のあと、発行するQSLカードの数も多くなります。
いかに効率的に、間違えず、スマートに、楽しくカードを発行するか。
なかなか楽しいテーマです。
Remarks1およびRemarks2で変数が使えることを知りました。
変数に設定した値を、印刷やハムログQSLカード作成時、さらにADIF作成時に出力できます。
この機能を使って、カード作成が楽になりましたので紹介します。
〇目次
〇手書きで手間がかかっていた、以前のQSLカード発行作業
移動運用の際、同じ公園から周波数、モード、出力、アンテナ、無線機などをいくつか切り替えて運用します。
また、自宅のマンションからの運用とリモートシャックの運用では、リグもアンテナも変わってきます。QSLカードにはこれらの情報が正しく記載されている必要があります。
私は交信しながら直接ハムログにデータを打ち込んでいますが、例えばQSLカードを印刷した場合、アンテナ、出力、リグは1枚ずつ思い出しながら、手で該当する場所にチェックを入れて発行していました。
リモートだからIC7300の100W、アンテナはV-DP。
自宅だからFT991M、出力は50W。
移動だからFT891にモービルホイップの50W、
など判断しながら該当の場所にチェックを入れるので、結構手間がかかる作業です。
よく間違えてしまい、悲しいことがよくありました。
特にFT8の場合、移動時のポータブルは/Pを使います。
モードにより表記を変える必要があるので、煩雑でしたねー。
また、ハムログにはRemarks1、Remarks2で、%で囲んだコメントを出力する機能があります。
以前はこの機能を使用していましたが、移動地やJCC/JCG、公園、POTAなどが盛りだくさんで長い文章の場合、紙からはみ出したりして苦労していました。
〇ハムログの変数を使ってカード発行を楽にする
あらたに使うようにしたのが、変数にセットした値を、QSLカード発行時に出力できる機能。
定義ファイルを書き換える必要がありますが、交信に対応した値をセットしておけば、あとはカードを出力(印刷)するだけです。
具体的な設定は、次のようにしています。
変数の定義
$C:コメント (例:TNX FB QSO.CU AGN.)
$R:無線機 (例:FT891)
$O:出力 (例:30W)
$N:アンテナ (例:Mobile Whip)
$H:地上高 (例:1.5)
$K:移動地のコード
$P:ポータブル
$J:JCC/JCG
$Z:JCC/JCGの値
$Y:移動地の日本語表記
$W:都道府県コード
$G:Grid Locator
$X:移動地の英語表記
ハムログのRemark欄の記述
変数をハムログのRemark欄に次のように記載しています。
$で囲んで変数に値を設定します。
移動用 Remarks1
$C=TNX FB QSO.CU AGN.$$R=FT891M$$O=50$$N=Whip$$H=1.5$
この例では、無線機FT891、出力50W、モービルホイップ1.5mHighをセットしています。
移動用Remarks2
$K=PK20-47/POTA-JA1463$$P=/2$$J=JCC$$Z=2007$$Y=愛知県春日井市朝宮公園$$W=20$$G=PM85$$X=Kasugai-City,Aichi$$C=IOTA:AS-007$
この例では、移動地は愛知県春日井市の朝宮公園。愛知県20、JCC2007、公園アワード愛知PK47、POTA JA1463、グリッドロケータPM85を設定しています。
並べる順番は自由なので、交信の際は移動地のJCCやPK、POTAの番号を最初にしておくと画面を見ながら移動地を送信できて便利です。
コメントも、変更しやすいので最初のほうにしています。
実際の運用
移動運用時、交信する前にその移動地の値をセットして、交信を開始します。
ハムログはRemarksの値を覚えておいてくれるので、同じ条件の時は変更不要で、どんどん交信すればOKです。
モードや出力、ポータブルを変更するときに、値を変更しておけば、あとは気にする必要はありません。
印刷やハムログQSL、ADIF出力の定義ファイル中に、上記変数を使って出力設定しておけば、QSL毎の値を出力してくれます。
実際の定義ファイルは次のようにしています(抜粋)。
ハムログの印刷定義ファイルの記述
? Space! "!R1$R" ; Remark1にRIG記載あり
#Print 20, 710, " Rig: !R1$R / Pow:!R1$OW / ANT:!R1$N !R1$HmH" ;リグ+Pow
? Space "!R2$P" ; Remarks2にポータブルが無かったら次の行を実行
#Print 10, 825,"JS2AZO" ; 固定局のコールサインを印刷
? Space! "!R2$P" ; Remarks2にポータブルがあれば次の行を実行
#Print 10, 820,"JS2AZO!R2$P" ; 移動局のコールサインを印刷
この設定で、
Rig:FT891 / Pow:50W / ANT:Whip 1.5mH
JS2AZO/2
と印刷されます。
電信→FT8→電信とモードや出力を変更しても、印刷時、データ出力時に気にする必要はありません。
ハムログのハムログe-mail QSL定義ファイルの記述
最近はハムログのe-mail QSLで交換することが増えました。
移動運用の場合、JCC/JCGとPK、POTAなどの移動地情報を表示するようにしています。
レイアウトに合わせて自由に表示する内容を表示したい場所に指定できるので便利です。
? Space! "!R2$P"
#Mov $$A="■移動地:"
? Space! "!R2$P"
#Mov $$B="!R2$Y " ;移動地 日本語
? Space! "!R2$P"
#Mov $$C="!R2$J!R2$Z " ;JCC
? Space! "!R2$P"
#Mov $$D="!R2$K !R2$G" ; PK/POTA,Grid Locator
#Print 20, 105,"!$$A!$$B!$$C!$$D" ; 印刷
この設定により、
■移動地:愛知県春日井市朝宮公園 JCC2007 PK20-47/POTA JP-1463 PM85
と印刷されます。
ADIFファイル出力定義の例
LoTWやeQSL、POTA、ClubLogにログをアップロードする際のADIFファイルを出力する定義ファイルです。
<STATION_CALLSIGN>にJS2AZO/2やJS2AZO/Pを、<MY_STATE>に都道府県コードを、<MY_CNTY>にJCC/JCGコードを設定することで、LoTWへの登録が楽になります。
これも変数を使って登録するようにしたので、自由にできるようになりました。
; コールサインの設定
#Mov $$D = "<STATION_CALLSIGN:!Af>!$$S!R2$P"
; 都道府県、JCC/JCGコード、グリッドスクエアの設定
#Mov $$E = "<MY_STATE:!Af>!R2$W<MY_CNTY:!Af>!R2$Z<MY_GRIDSQUARE:!Af>!R2$G"
~中略~
; データ出力
#Print 0,0,"!$$A!$$B!$$C!$$D!$$E!$$R"
この設定により、
<STATION_CALLSIGN:8>JS2AZO/2<MY_STATE:2>20<MY_CNTY:4>2007<MY_GRIDSQUARE:4>PM85
と出力されます(ADIFファイルのレコードの一部です)。
このように、変数を使うことで、同じデータから、紙の印刷、HQSL、ADIFなどそれぞれに最適な出力を得られます。
以前と比べれば楽になり、ミスも減り、いろいろな用途に柔軟に対応できるようになりました。
さらに改善したい点
QSLカードに表示する写真に関して、例えば変数で写真のファイル名を設定しておき、
そのファイル名の写真を印刷するようにしたいと思っています。
時々過去のカードを再印刷することがありますが、このようにしておくと、適した写真を印刷できます。
まだこれは実現できていません。
引き続き改良していきたいと思っています。
DE JS2AZO
HPE CU AGN SN.
GL 73 & 88.